(生肉)パレード(2/2)
狼不會入眠 外傳
いずれもレカンが対戦相手を引っ張ってきてパレードと戦わせた。
パレードのほうから戦闘に入ったことは一度もない。
何度もレカンはパレードに相手のところに行って戦うよう命じたのだが、言うことを聞かない。
もっともレカンは獣を使役する方法は知らないし、パレードに人間の言葉が通じるわけもないのだから、これはしかたのないところでもある。
それでもよかった。
本番の戦いでは、あちらから攻撃してきてくれるだろう。
どうしても受け身の戦いになってしまうが、それならそれでいい。
むしろ得意な戦い方を磨いたほうがいい。短い時間のなかでの訓練なのだ。萬能型の戦士を育てるひまはない。
最初はあまり反応がよくなかったパレードだが、襲いかかる敵をうまくいなしたり、攻撃をかわすすべを覚えていったりした。
もともと力はあるし、目もいいし、意外に動作は素早い。そして長腕猿というのはとにかく器用な魔獣だ。もしかしたら武器の使い方も覚えられるかもしれない。今回はそういう訓練はしないが。
それと物おじしないのがいい。
かなり強力な相手もぶつけてみたが、パレードはひるまない。相手の威嚇にもおびえず、冷靜に攻撃をかわしている。そして隙をみて反撃する。レカンの狙い通り、パレードはぐんぐん戦闘力を上げた。
それはいいのだが、一つだけ問題がある。
殺さないのだ。
パレードは敵を殺さない。相手がこちらを攻撃しようとするかぎり、手厳しい反撃を加えはするが、敵が戦闘能力を失うか、あるいは失ったふりをしていると、それ以上追撃しない。
(そんな甘いことで勝負に勝てるわけがない)
(明日はそこだな)
六日目には、かなりの強敵と戦わせた。
だが特訓のかいあって、パレードは相手の攻撃パターンを読み、傷を受けないように戦闘を続け、相手の隙をついてつかまえて投げ飛ばした。
三度目に投げ飛ばしたときには相手の頭が岩にぶつかった。
「そこをどけ! オレが殺しの見本をみせてやる」
レカンは目に力を込めた。
(了)
パレードは真剣なまなざしでレカンをみつめている。
「よかろう。殺したくないなら殺さなくていい。だが、負けることは許さん。わかったか」
「その魔獣をオレに殺させない、とお前は言っているのか?」
「追撃しろ」
しばらく、緊迫のにらみ合いがつづいた。
「ぶるう」
パレードも息を吐きだした。怖かったのだろ……(內容加載失敗!請重載或更換瀏覽器)