第63話「果然是緹蕾婭吧2」(生肉)(2/3)
4章 卡米拉學院篇
軍団員達は、威勢よく「応」と答える。
軍団員達の聲色に動揺は欠片も存在しなかった。引きつった顏すら見せない。
おいおい、理解しているのか?
これから榨取するって言ってんだよ。小遣いだけじゃ足りず、親の財布から掠め取ってくるはめになるかもしれないんだよ。
「よ、よ~し、じゃあ早速使おう。市場に買い物だ。純金のフライパンを買って、高級食材も選り取り見取りだね。あ~これだけあったら迷うな~。無くなったらまたお金をも~らおうっと」
財布をカバンに詰め、出ていくフリをしながらチラリと橫目で軍団員達を見る。軍団員達は、お見送りの姿勢を保つだけで一切、止めにこない。
俺に小遣いを渡せて本望といった感である。
な、なんて奴らだ。こいつらの意志力に屈してしまいそうになる。
だ、誰か止めなさいよ。內心、冷や汗をかいていると、
「ティレア様、お待ちを」
お、ドリュアス君が止めてきた。
「私は本気だから。止めても無駄よ」
「おやめください」
おぉ、來たよ、來た、來た。
さすがに自分がお金を取られるとわかったら、気が気がじゃなくなるよね。
そうだよ、こういう気持ちを理解して欲しかったんだ。人の金を盜んだのなら、自分のものにしない。悪人の持ち物だったかもしれないけど、もともとは王都市民から榨り取った稅金なんだからね。勝手に使うものじゃないよ。
「ようやくわかった――」
「ティレア様、御自らそのように嵩張った財布をお持ちする必要はございません。必要なものがあれば、どうぞ我らをお使いください」
「い、いや、どうやったらそんな考えになるかな~」
「あ、これは……とんだ勘違いを」
またもや頭を下げるドリュアス君。
そうそう勘違いは是正してくれ。
金を取った上に、バシリをさせるなんてどこのいじめっ子だよ。
「もしやティレア様は、買い物を楽しまれておられたのですか! も、申し訳ございません。それでは財布は私めが持ちますので、こちらに」
「あ、參謀殿、ずるい。それは抜け駆けというものです。ティレア様、どうぞこのオルティッシオめをお供に加えてくだされ」
「いや、待て。ティレア様のお供は私だ。オルティッシオは引っ込んでろ!」
「待て待て待て。勝手に決めるでない。順番的に俺がティレア様のお供の番だぞ」
軍団員達のズレた會話は止まらない。だれが俺のお供をするかで揉め始めた。……(內容加載失敗!請重載或更換瀏覽器)