第64話「果然是緹蕾婭吧3」(生肉)(2/4)
4章 卡米拉學院篇
またもやオルの罵聲が飛ぶ。
エディムはオルを一瞬睨みつけると、そのまま給湯室へと走っていった。
「オル、あまりエディムに酷い事言っちゃだめだよ」
「なんとお優しい。半魔族如き、掃いて舍てるほどの存在であっても、ティレア様はお気遣いをされる。これほど慈愛に満ちた君主に仕えられ、このオルティッシオ感涙に耐えませぬぞ」
オルの言葉に軍団員達もうんうんと頷いている。
そして、これほど偉大な君主のお手を煩わせようとしたエディムに非難が集まっていく。
うん、何かがおかしい。
こいつらの感覚は今だに慣れない。
ただ俺が余計な事を言ったせいで、またエディムの立場が悪くなったみたいだ。
エディムが淹れてくれたお茶をすすりながら、いたたまれなくなってくる。
よし、もう黙ってよう。俺が行動する事でいらぬトラブルを起しているみたいだ。せっかく王都市民のために頑張っているこいつらの邪魔をしてはいけない。
そして、休憩も終り皆仕事に戻った。
もちろん俺がいることで、ずっと俺の世話をしてくる軍団員達に「私の事はいいから、仕事に戻って」と何度も命令した後だ。本當に面倒くさい奴らである。
それから皆の様子を見ていく。俺が見ているせいか、皆のテンションが高い。
特に、オルだ。できる奴だとアピールしたいのかやたらと聲を上げている。
「エディ――ム! 貴様、田園調布の開発報告書はどうなっている? 早く提出しろ!」
「……オルティッシオ様、わかってていってますよね? それとも天然ですか? その報告書ならさっきあ・な・た自身でぐちゃぐちゃにしましたよね?」
「ん?」
「んじゃないです。あなたがさっきから足で踏んでいる書類ですよ!」
エディムに指摘されて、オルが足を上げて書類を拾う。
「ふむ、見えぬな」
「くっ。そりゃそうでしょ。あんなに叩きつけたら當然、字は滲むわ。わ、私が何時間もかけて作った書類を!」
「そうだったか。では、原紙でなくても構わん。コピーのほうでいいぞ」
「コピーなんてありませんよ。あの納期の短さでどうやってコピーしろと言うんですか!」
「馬鹿者がぁ! 保存用、使用用、貸出用、三つ作るのは常識だろうが! 貴様はティレア様のお言葉をなんと心得ている!」
いや、それね。違うから。
オルの言葉を聞けば聞くほど、ツッコミたくてしょうがない。
エディムは、プルプルと……(內容加載失敗!請重載或更換瀏覽器)