第66話「米蕾絲劇場1」(生肉)

4章 卡米拉學院篇

「さぁ、座りなさい」


ミレスは、初老の男の指示に従い椅子に座る。

魔法學園相談室。

機と椅子、必要最低限の調度品が置かれた簡素な部屋だ。ここは、 心的障害 ( トラウマ ) を持ってしまった學生のための教室である。

初めて人を殺した。

戦友が間近で殺された。

魔法學園生徒は、精神を病む機會が多い。

魔法學生は、將來戦いを生業とする職に就く。子供の時分から血生臭い事を経験しなければらない。當然、脫落者も出てくる。學園側は、少しでも學生の心のケアをするため、このようなシステムが作られたのだ。

ベテラン教師が生徒の悩みを聞き、アドバイスをする。

目の前にいる初老の男、ゴールド・ヘア先生もその一人。生徒の心を理解し、時には厳しく、時には暖かく、生徒の心の負擔を払拭し続けてきた。

私も初めて戦場に出た頃は、よく利用したものだ。賊とはいえ、人を初めて殺した時は、吐いて眠れなかった。そんな新兵だった私を勵まし、導いてくれたのが、その當時擔任だったゴールド先生だった。


「文森特君、久しぶりだな」

「はい、先生もお変わりなく」


ゴールド先生は、にこやかな表情を見せる。柔和で心根が善良な人物だ。それでいて悪さをする生徒には、厳格なオーラを放ち鬼の形相で指導もできる。

生徒からも同僚である教師からも信頼が厚い一流の教師なのだ。


「まったく信じられんよ。エリザベスがあのような 愚行 ( やきうち ) を犯すとはな。非情な性格だが、もう少し分別を知っていると思っていた」

「……そうですね」

「君もエリザベスにずいぶん酷い目にあったと聞く。私は情けない。教師として失格だ。後手後手に回り、君が辛いときに助けられなかった」

「気にしないで下さい。エリザベスは巧妙でした。證拠を殘さず悪行をこなす。あれは、そういう方面で天才的な力を発揮してましたから」

「いや、それで済まされることではない。私は學園に生徒を迎え入れる時に、君達の親御さんに誓ったのだ。生徒は絕対に守って見せるとね。それがこの有様だ。本當にすまなかった」


そう言ってゴールド先生が頭を下げる。真摯な態度だ。上っ面の言葉じゃない。誠意、そのものが滲み溢れている。

好感が持てる。誠実で暖かだ。

合格!

こういう逸材は、女王たる私が 保護 ( ・・ ) しないとね――ってだめよ、だめ!

何を考えているの!

まただ、また変な思想が……(內容加載失敗!請重載或更換瀏覽器)

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