第66話「米蕾絲劇場1」(生肉)(2/2)
4章 卡米拉學院篇
「でしょ。いわばこれは王都市民から集めた稅金みたいなものじゃない。市民の役に立つものを作りたいのよ。だから、あいつらには任せられない。かといって素人の私では無理。誰か他の有識者に頼むのがいいよね? 誰がいいかな?」
ふふ、ティレアさんらしい。
私慾に惑わされず、人のために思える。
そんなあなただからこそ、あなたが使うに相応しい。
そんなあなただからこそ、本來國を治めるべきなのです。
まぁ、ティレアさんはそんな王とか支配とかに興味はないんでしょうけどね。
ティレアさんは、今もうんうん悩んでいる。
證拠もないんだし、自分の懐に入れてもばれやしないのに。
自分のものにするという発想自體ないらしい。
「ティレアさん、僭越ながら私がお手伝いしましょうか?」
「えっ!? いいの! でも、學園の勉強もあるのに、悪いよ。それに犯罪の片棒を擔ぐ事になっちゃう」
「そんなの気にしないで下さい。悪いようには絕対にしません」
「そっか、そうだよね。ミレスちゃんは、事情を知っているのに今更だよね。じゃあ、お願いしちゃおうかな」
「はい」
「これで安心だね。あいつらさ、一言目には『ティレア様の御為に』しか考えないから、困ってたのよ」
「私もそうですよ。ティレアさんのために使います」
「えっ!? いや、それは――」
「王都市民が笑顏になるような施政をする。それがティレアさんのためになる使い方だと思います。違いますか?」
「ミレースちゃ――ん!! あなた最高よ!」
ティレアさんが抱きついてきた。
はは、熱烈な抱擁だ。
前の騒ぎがやっと治まったのに……嬉しいけどね。
「テ、ティレアさん、わかりました。わかりましたから」
ティレアさんからの抱擁を逃れ、距離を取る。
「ミレスちゃん、本當にありがとう。これで揺れる 王都政 ( オットセイ ) は解決ね。ミレス劇場、期待しているから」
別に揺れているわけじゃないと思うけど。
それにミレス劇場って……そんな辣腕を振るって大丈夫かな?
そうだ。よく考えたら私がアドバイスしても皆さん、きちんと私の言う事を聞いてくれないかも。
今の私って邪神軍の人達に嫉妬されている。
特に、オルティッシオさんとかエディムとかオルティッシオさんとか。
「あの、一つ気になることが」
「何? なんでも言って?」
「私が口出ししても大丈夫ですか? 恐らく皆さんから……(內容加載失敗!請重載或更換瀏覽器)