第67話「米蕾絲劇場2」(生肉)(2/3)
4章 卡米拉學院篇
卑劣って、どの口がそれを言うかな。
三千二百三十回、これが何を表すかわかる?
あなたが私を噛もうとした數よ。隙あらば、襲おうとするのはやめて。
これでも優しい手よ。もっと酷い方法も考えたんだから。
「とにかく、二人ともこれ以上邪魔をするのならカミーラ様をお呼びします」
「「ぐっ!!」」
唇を噛んで耐える二人。もう一押しかな。
「わかってくれたようですね。私はティレア様だけでなく、カミーラ様にも財務大臣として裁可する権限を頂いてます。お二方のお墨付きを頂いている意味、わかりますよね? 私への妨害は、すなわちお二人に逆らうに等しい行為ですよ」
「そ、それは、その」
「べ、別に邪魔をしているわけじゃあるまい」
二人がしどろもどろに弁解を始めた。
「言い訳はけっこうです。次に邪魔したら、本當にカミーラ様をお呼び――」
「呼んだか?」
「うぁあ!」
突然、背後を取られた。現れた覇王の 気配 ( オーラー ) につい聲を発してしまう。
「ん!? 何を驚いておる。貴様らしくもない」
そう宣言するのは東方王國の大覇王、ティムちゃんだ。
相変わらず凄い。
自慢ではないが、今の私から背後を取れるのはティムちゃんぐらいだ。仮にSランク冒険者百人に囲まれたとしても、鼻歌混じりに対処できる自信があるのに。
さすが私と同じ 高位人間 ( ハイヒューマン ) である。
「あのカミーラ様? どうしてここに?」
「なんだ、ミレス。お前が我を呼んだのだろう?」
呼んだって……確かに呼ぼうとしてたけど、まだ呼んでないから。
ティムちゃんは、ニタニタと意地悪そうな笑みを浮かべている。エディムとはまた一味違った上から目線の嘲笑だ。
「いや、まだ呼んでませんよって――はっ!?」
嫌な予感がした。
すぐ様、自身を魔力探査する。調査魔法ググルを発動、體中に魔力の波動を行き渡らせた。頭の天辺から爪先まで、微細な変化も見逃さない。
……見つけた。
魔力を感知する発信機。
ティムちゃんもこりないな。
一體、いつのまに?
もう芸術と言ってもいいよ。
今回の発信機は、以前よりも高性能だ。以前より見つけにくい構造になっている。それに、オルティッシオさんとの會話內容も知っていたぐらいだ。魔力感知だけでなく、集音機能もついているのだろう。
古今東西、例を見ない魔術形式を惜しげもなく使っている。相変わらずティム……(內容加載失敗!請重載或更換瀏覽器)