第68話「米蕾絲劇場3」(生肉)(2/3)
4章 卡米拉學院篇
「……情報だけ吐かせて、そのまましらん顏する気ではありませんよね?」
「私はお前のような恥知らずではない。約束したのなら必ず守る」
「……そうですね。あなたはそういう人でしたね。わかりました。ワタクシに答えられるものならなんでも。だ、だから早くここから出してくれまし!」
エリザベスが身を乗り出して主張する。
「エリザベス、私を監禁してたな」
「え、えっと、それはワタクシの意図とは……」
「言い訳はいい。真実が知りたい。その時、私に何をした?」
私が 高位人間 ( ハイヒューマン ) になった切っ掛けを知りたい。
私の記憶は、エリザベス邸に侵入してからぷっつりと途切れている。そこで何かあったのは間違いない。
「も、申し訳ございません。もう二度とこのような――」
「反省も釈明もいらないといっただろ。事実を言え」
「そ、それが、あなたへの仕打ちはエビーンズに任せてましたので」
「エビーンズ?」
「わ、我が家のお抱えの拷問官ですわ」
「どんな奴だ。私に何をした?」
「エビーンズは、嗜虐趣味の変態ですわ。それは拷問されたあなたが一番ご存知でしょう」
「……その辺の記憶はあいまいだ」
「そうですか。まぁ、そうでしょうね。あれを記憶に留めておけば正気でいられないでしょう。何せエビーンズはワタクシがほれぼれするほどの腕前ですから」
「……それでどういったことをした? お前は知ってるのだろう?」
「えぇ、もちろん」
それからエリザベスから拷問內容を聞いたが、これといっためぼしい情報はなかった。反吐が出そうな胸糞悪い話を聞いただけである。
「ふふ、あなた、よく正気でいられましたわね。あぁ、だから記憶を無くしたのですね。手足の欠損は……このポーションの凄まじい効果で治したのでしょう?」
「もういい。他に情報は?」
「これで全部ですわ」
「そんな事ないだろ。話せ」
「……本當に全部です。まぁ、エビーンズの事です。ワタクシの知らない奧の手をいくつか持っててもおかしくはありません」
奧の手? それが原因だろうか?
エリザベスはこれ以上は本當に知らないようだ。それは、こいつの呼吸音、脈拍から虛偽ではないと察せられる。あとは、本人に聞いてみるのが一番か。
「そいつは、どこにいる?」
「死にましたわ。死體は見つかりませんでしたが、オルティッシオ達にやられたのでは?」
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