第六話「天才料理人シロ ベジタ村の族長になる」(2/3)

5章 料理鬥爭杯篇

「わ、我らは骨身を惜しんで働きます。で、ですが、やはり暴利、無茶苦茶でございます!」

「無茶ではない。それは怠惰と言うのだぁあ!」

「うぎゃあああ!!」


オルティッシオがギウの顔面に容赦なく拳を入れた。

ドスンという凄まじい衝撃音が響く。

ギウは、顔面に拳大の大穴を開けて血を流す。ピクピクと痙攣後、そのまま息絶えた。


「改めて家畜の長を決めるか」


オルティッシオはそう言って、その場はお開きとなった。

やっぱり殺すんだ。

暴君オルティッシオ、皆も同じ思いだっただろう。



數日後、再度族長會議が開かれた。

家畜の長という物言いはともかく、ベジタ村の族長となれるのだ。しかも十五の試練も無しにである。

ギウが殺されたとはいえ、喜び勇んで志願した連中は多數いた。

だが、なんだかんだいちゃもんをつけられ、軒並みオルティッシオに潰された。

ある者は「お疲れ様でした」とねぎらったら「この程度で疲れるかぁあ!」と毆り殺された。

またある者は、自分の頑健さをアピールしたら「じゃあ試してやる!」と毆り殺された。

皆、顔を見合わせている。


「どうした? 他にいないのか? 家畜の長になるだけだぞ」


オルティッシオの大聲が響く。

オルティッシオの前には、獣人達の屍が多數橫たわっている。

あれが未來の自分の姿になると思うと、二の足を踏んでいるのだ。

族長にはなりたい。だが、命は惜しいという心境だろう。


「ふー、しかたがない。こちらから指名するか」

「そうですね、オルティッシオ様。やる気のない奴らに何を言っても無駄です」


オルティッシオとエディムが値踏みをするようにこちらを観察する。

皆、怯えながらも期待に満ちた表情をしていた。

志願ではなく指名であれば、必死にアピールをする必要もない。オルティッシオの逆鱗に觸れる可能性は低いだろう。


「むうぅ、ひととおり見渡してみたが、どいつもこいつも脆弱な有象無象ばかりだ。指名する気がおきん。エディム、貴様の意見は?」

「こればかりはオルティッシオ様に同意です。どれも代わり映えしない汚い連中です」


ひどい言われようである。

誇りある狼フェンリル族に向かって言いたい放題だ。

この物言いに、狼フェンリル族の戦士達のこめかみに青筋が浮かぶ。

皆、怒っている。

オルティッシオはともかく、エディムには強い敵意が向けられていた。

エディム……(內容加載失敗!請重載或更換瀏覽器)

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