第六話「天才料理人シロ ベジタ村の族長になる」(3/3)
緹蕾婭的煩惱 5章 料理鬥爭杯篇
「し、しかし、こんなミソッカスを――」
「今は大事な話をしている」
「それならなおさらですぜ。こんなカスが族長では皆の士気が駄々下がりだ」
「いいから黙れ。二度も言わすな」
「ち、ちょっと待ってください。俺の話を――」
「邪魔をするな!」
「ふべぇええ!!」
ガウはギルさんに裏拳を入れられ、ふっとんだ。
まるで紙屑のように簡単に飛ばされた。
ガウは死んではいないが、白目をむいて気絶している。
「オルティッシオ隊長、シロは優れた料理人です。近いうちに地下帝國に連れて行こうと思ってます」
「なんだと!? ではティレア様の――」
「はい、シロは筆頭候補です」
「間違いないか? ティレア様は、ご趣味の料理に大変熱を入れられておられる。半端者を連れて行けば、ご気分を害するだろう」
「問題ありません。シロを連れてくること、それが今回の遠征中、最大の功績になるやもしれません」
「ほぉ、お前がそこまで言うか!」
えっ!? えっ!? どういうこと?
何か知らないうちにとんでもないことが起きようとしている。
「それでは家畜の長は貴様だ」
オルティッシオが僕を指さし、下知を出す。
それにしても軍曹?
その顔は誇らしげである。【中將】って上から三番目なんだ。まぁ、オルティッシオの圧倒的強さを評価したら妥當だろう。というか二番ではないんだ。ティレアの次にえらいと思ってた。
エディムがぼそりとつぶやいたが、位は複雑のようだ。
「しかし、ギル様、このシロとかいう獣人、やたらとほかの獣人から馬鹿にされております。肩書とはいえ、こいつが族長では統治にいささか問題が生じるのではありませんか?」
うそぉお!!
ギルさん、獣人の掟をまるでわかっていないよ。
僕は一體何をさせられるの?
「下士官ですか」
僕が首をひねっていたら、エディムが地位について補足してくれた。
「そう、気張りなさい。ちなみに私はさらに九個上の【大佐】だから」
エディムがまたもや的確なツッコミを入れてきた。
「卻下だ。貴様をティレア様のおわす居城、地下帝國に連れていき、名譽ある仕事を與える予定だ。家畜の村とはいえ、長の肩書ぐらいつけておかねば話にならん」
僕みたいな弱蟲では皆を統率なんてできやしない。
ここで僕が族長就任を了承しようものなら、殺されるのは確実だ。
しかも、十五の試練を乗り越えたエリート中のエ……(內容加載失敗!請重載或更換瀏覽器)