第八話「天才料理人シロ 暴帝ティレアと會う」
緹蕾婭的煩惱 5章 料理鬥爭杯篇
僕は、人族の料理人を初めて見る。
どんな料理人なんだろう?
王都に向かう馬車の中でギルさんに詳しい話を聞いた。
もともとこのジャシン軍の御飯はティレアが作ってたらしい。
最初、トップが御飯を作るなんて想像できなかった。たいていそういうのは下っ端の役目だ。
ただティレアの趣味が料理らしく、そういうこともあるのかな、とある程度納得した。
人族の風習はよくわからない。
そして、いつもティレアからご飯を振舞われて部下達は恐縮していたらしいね。
トップのお手を煩わせて申し訳ないって。
自分達で作るって言ってたようだけど、ティレアがそれを許さなかったらしい。素人が料理を作れば、食材を無駄にしてもったいないからだって。
そこで部下達は考えた。
それならプロの料理人を連れてくればよい。
早速、軍議が開かれ、各々で優秀な料理人を集めることになったとか。
ティレアのお眼鏡に適う一番優秀な料理人を連れてきた者に今月の【ジャシン栄譽賞】を授けるみたいだ。
そういえば、オルティッシオが凄い剣幕で「死んでも勝てッ!」って脅してきた。
よほどその賞が欲しいのだろう。
他のジャシン軍の幹部達も同じらしい。
その褒章目當てに有能な料理人を連れてきているとか。有名料理店を切り盛りしている料理長とか、人族が大金を払ってまで食べにきている売れっ子料理人達だそうだ。
この人達がその凄腕料理人……。
緊張しながらもペコリとお辭儀する。
僕が、僕が一人前だったらよかった。
部屋の端っこに移動してしばらくすると、人族の料理人達が料理を始めた。
ミソッカスの僕が族長と名乗りを上げ、挨拶をした。
「だめだ。ここに一人だけレベルの低い奴が紛れ込んでいるぞ」
僕は、命を懸けて料理を作っている。一食作るたびに命を込めているのだ。
人族の料理を観察して三十分が経過した。
「なぁ、下手な料理を作ったら絶対罰を與えられるよな?」
「で、でも、僕、料理が得意です」
大きさや艶を意識せずに茹でられた野草等。
「ひょえええ! まじかよ、恐ろしい」
最初の印象はそれだ。
僕なんかよりも遙かに優れた料理人だった。
獣人の風習とは異なるのだ。
「か~その程度かよ。じゃあ料理の【炒】【燻】【焼】【蒸】のサイクルぐらい知っているよな?」
濕度も溫度も全く考慮せずに切られた芋。
最後に味覚がわからなくなった。
これが……(內容加載失敗!請重載或更換瀏覽器)