第八話「天才料理人シロ 暴帝ティレアと會う」(2/4)

5章 料理鬥爭杯篇

當時の族長ですら空腹だったのだ。

そんな狀況で食事が出せただけでも、奇跡である。

偉大な料理人だったおばあちゃんだからこそ、成しえた偉業だ。

でも、味覚がマヒしていたおばあちゃんは、その日、塩加減を幾分間違えて料理を作ってしまった。

そして、まずいと料理を投げつけられ、

おばあちゃんは……殺された。

うぅ、うぅ、くそ、くそぉお!!

Aランクの料理人?

有名料理店の店長?

どっちが素人だ! ふざけるな!

こいつら料理について何もわかっていない。

偉大な料理人だったおばあちゃんが殺され、なんでこんな下手くそ達が名譽を得て、いばっているんだ。

こんなの料理じゃない。

食材をいたずらにこね回しているだけだ。

ずるいよ、ずるい。

涙が出てくる。

悔しい、悔しい。

心の奧底に沈ませていた感情がどんどん膨らんでくる。

あんた達は、おばあちゃんの足元にも及ばない。

あぁ、わかった。この怒りの正體がわかっちゃった。

こんな下手くそ達が最高の料理人だと言う。

プロ中のプロの料理を見せると言う。

こいつらを観察してわかった。

最高の料理人は、おばあちゃんだ。それ以外いない。

こいつらに【最高】を名乗る資格はない。それはおばあちゃんのものだ。

料理が趣味と言っていたティレアにも見せてやる。

次元の違いを見せつけてやる!

僕が本當の、究極の料理を見せてやるんだ!


「おい、あの獣人、生意気にもこっちをにらんでやがるぞ」


はっ!?


「ほっとけ。すねてるんだろ。それより調理だ。手は抜けないぞ」


人族の料理人の言葉に我に返った。

……僕はなんてことを!

落ち著け、落ち著くんだ。

そうだ。わかっている。こんなのはただの八つ當たりだ。この人達のせいではない。

あの時、おばあちゃんの代わりを務められなかった未熟な僕のせいだ。

これ以上、おばあちゃんのことを考えるな。考えるとおかしくなる。

しかたがなかった。

一度でも下手な料理を作れば、死ぬ。

ふ~深呼吸をして落ち著く。

すぅ~はぁ、すぅ~はぁ……うん、大丈夫。

僕は、冷靜だ。

危なかった。

以前、ガウに大怪我を負わされた時と同じ過ちをしでかそうとしていたよ。あの時もおばあちゃんを侮辱され、感情のまま怒りをあらわにした。

結果、殺されそうになったのである。

ここは苛烈なジャシン軍の拠點だ。

ベジタ村以上に慎重に行動をしなければならない。感情を……(內容加載失敗!請重載或更換瀏覽器)

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