第八話「天才料理人シロ 暴帝ティレアと會う」(3/4)
緹蕾婭的煩惱 5章 料理鬥爭杯篇
「そうだよ。お前だ。確かシロって言ったっけ?」
「はい、シロです。え、えっと、あなたは――」
「アタイはジャンだ」
そう、ジャンだ。
モチキチ達の一派に加わらず黙々と料理をしていた。
「それでジャンさん、僕に何かご用ですか?」
「ご用って、お前……狀況わかっているのか? 廚房の端っこでごそごそ何かやってたみたいだけどよ。廚房に來てまじめに料理しないと、本當に罰を受けるぞ」
「で、でも、僕は獣人で廚房に近づくなって――」
「そんなの気にするな。アタイだって元は奴隷だ。ここで気にするのは、料理の腕だけだろうが。出自は関係ない」
赤毛の少女ジャンは、そう言い放つ。
口は亂暴だけど、これって僕を心配してくれたんだよね。
嬉しい。村ではこんな優しさに觸れることはめったにないから。
「優しいですね。僕なんかのためにありがとうございます」
「ば、ばっか。そんなんじゃねぇよ。アタイは、ここで一番の料理人って示さないといけねぇんだ。不戦敗する奴がいたらだめだろう」
ジャンさんは、顔を赤らめながらそんなことを言う。
「ジャンさん、でも、大丈夫です。料理は完成してます」
「完成って――お前ろくに食材集めてなかっただろうが」
「いいんです。それよりジャンさんの料理を見せてもらえませんか?」
「いいぜ。參考にしてもいいが、レシピは秘密だぞ。料理人にとってソースは命だからな」
ジャンさんが作った料理【ガラガラ鳥のソテー】を観察する。
「シロ、ここはけっこうシャレにならない場所なんだ。失敗作を提出しようものなら何をされるかわからないぞ」
それから幾ばくか時間を潰す。
あぁ、もう僕が作ってあげたい。
ジャンさんはそう言うけど……僕が言っているのは、かなり簡単な手法だ。
「ジャンさん、ガラガラ鳥の上に載ってあるシャマの葉っぱをすぐに取り除いて」
「おい、シロ! お前、それ!」
罰を受けて殺される。
ソテーをフライパンに戻し、蒸し直しを始める。
でも、それはルール違反だ。せめて助言をして、応急処置するしかない。
オルティッシオがドリュアスが連れてきた料理人には絶対に勝てって言ってたっけ?
あぁ、人に教えるのって難しいんだな。
人に指示した料理とはいえ、こんなに自信を持てない料理を出すのは初めてだ。
「ジャンさん、お気遣いありがとうございます。でも、本當にこれでいいん……(內容加載失敗!請重載或更換瀏覽器)