第九話「ティレアの至高のメニュー作り 壱」(2/4)
5章 料理鬥爭杯篇
「あなた達、今回の料理人って今日だけ特別に呼んだのよね? それなら結局、今後も私が料理しなければならないじゃん」
「いえ、奴らは邪神軍の【軍曹】【伍長】の地位に就かせ、ティレア様に永久の忠誠を誓わせております。ティレア様のお眼鏡に葉えば、今後も継続して邪神軍の台所を預からせる予定でございます」
「さ、さいですか」
なるほど。軍団員達の言葉を鵜のみにすれば、彼らはこんなお遊び軍団に永久就職したらしい。
まじで?
それでもA級料理人かよ。
自分のお店 or 今まで勤めていたお店はどうすんの?
家の都合なのか、オル家の権力に屈したのか、はたまた大金に釣られたのかわからない。
でも、本物の料理人なら、こんなふざけた遊びの軍団で料理を続けるわけがない。
だいたい軍曹? 伍長だぁ?
俺が前に雑談で言ってたやつじゃんか!
俺が適當に作ったその地位で彼らは納得しているのだろうか? 納得しているなら、それでよい。
ただ、そんな不真面目な料理人に負けてたまるか!
俺は、本気で料理に取り組んでいるのだ。
A級料理人の諸君、殘念だったね!
今日のティレアちゃんは、一味違う。美味しいなんて一言も言ってあげないんだから。
それから殘りの料理も審査していく。
「いや、なかなか上手いムニエルではあるよ。ただ、惜しい。もう少し味にアクセントが欲しいところね。八十一點!」
シビアに粗さがしをしている。
普段であれば、ブラボーブラボーって叫ぶくらい料理のレベルが高い。
でも、俺は同情されて料理はしたくない。
邪神軍の料理番は、自力で勝ち取るのだ。
ひととおり食べ、評価を繰り返す。
次に、黃金に輝いている炒飯を食べた。
「うっ!? 美味――な、なかなかの炒飯ね」
危なかった。
思わず美味いと言いそうになった。これはやばいくらい美味かったぞ。
パラパラで、ふわっと口の中に濃厚な香りが広がっていく。
炒飯のお米一粒一粒が均等に立っていて、見ていて気持ちがいいぐらいだ。
炒飯は、料理の基本が詰まっている。
【炒】【燻】【焼】【蒸】のサイクルをきっちり抑えてないと、上手くできないのだ。
正直に言おう。
ここまで完璧な炒飯を作るのは、俺でも厳しいかもしれない。
はっ!?
まてよ。この味、どこかで食べたな。
確かお嬢と一緒に、食べ歩きをしてて……。
そうだ!?
これって老舗【楽々汎】の炒飯だぞ。
【楽……(內容加載失敗!請重載或更換瀏覽器)