014 第四人的不適合者(4/4)
銜尾蛇記錄 ~圓環的歐布尼爾~ 領主篇
「それと、だ。ユニ、仆と彼が魔導アカデミーで行った實驗、憶えているかい?」
「はい、【生體における脳機能と生命における魂の相関】でしたか」
奴隸の脳に処置をし、その上で殺したら、彼らの霊魂は死後どうなるか?そんな實驗だ。
「あの實驗の結果、脳から生じた認識は時間ごとにその魂を変質させると出ている。仆が彼を捕らえて最終的なヴァンパイア化を施すまでのこれまで、毎日のように脳を弄って仆に從うように仕向けて來た」
「…………」
「そして、彼のテストベッドである奴隸での實驗で、ヴァンパイアの復元能力は魂に由來することが分かっている。彼らは魂魄に刻まれている肉體の情報を元に、身體を治癒しているんだね。そして、その基準は概ねヴァンパイア化する直前および変質直後の狀態に大きく依存すると分かった」
つまりはこういうこと。ある奴隸Aの四肢を切斷し、その直後ヴァンパイア化する。するとヴァンパイアAは魂に刻まれた情報を元に復元を始め、四肢は元通りになった。一方、一度切斷してから完治させた上でヴァンパイア化した奴隸B。こちらの場合は四肢がくっつくことも、あるいは切斷面から生え出すことも無く、単なる手足の無いヴァンパイアとなってしまったのである。
この二者の違いは、自分の手足をどのような狀態だと認識していたかによって生じた物だと思われる。Aは切斷直後、『治せば戻る』とまだ思っていた頃に吸血鬼化した。逆にBは『戻らないまま治ってしまった』と認識している時の施術である。
吸血鬼の超常的な自己修復能力は、魂に固著した自己認識によって起こるという証左だ。それと同じことがシャールにも言える。
「つまり仆への服從が頭に定著した狀態で改造したシャール。彼は、吸血鬼化後も脳味噌がその形のままでいる可能性が高いという訳さ。仆への服從が機能的に刷り込まれている形に、ね」
それくらいのことは、ユニにも分かっているはずだ。伊達にこの十年間、仆の助手はやっていない。ということは、これ以外にも危懼する理由がある訳だ。
果たして彼女は反論を口にした。
「しかしモンスター化による変化には、未だに未知數の部分が多いと考えます。現に作品04は、容姿を始めとして施術側の意圖していない変容が起こっておりますので」
そう、人間のモンスター化はまだまだデータが少ない。素材と素體の消費量が馬鹿……(內容加載失敗!請重載或更換瀏覽器)